木村組とは 木村組の人々

技術集団 木村組の人々Part 3

有限会社 大庭木工

代表取締役
大庭 一利
(建具職人:写真右)
大庭 建二
(建具職人:写真左)

仕事の特徴について

建具職人として一番のこだわりを伺ってよろしいですか?

(大庭 一利)

我々は動く建具を作っています。お客様の手に常に触れる部分ですから、狂いがない建具、反りのない建具を作ることを特に意識しています。動かすことで常に使用する部分なので、耐久性と品質には特に注意していますね。

木材の目利きについても重要なんですね。お客様はどのような木質を好むんですか?

(大庭 健二)

日本では一般的に柾目の木質が好まれます。柾目は見た目が美しいだけでなく、狂いが少ないですから。逆に板目の木材は狂いやすい特徴があって、設計段階であらかじめ柾目を選ぶようにしています。しかし、お客様の要望によっては板目を使うこともあります。そういった場合は反りを防ぐために様々な工夫を凝らしています。

加工作業はとても厳密に行われているのですね。お二人で役割分担はされていますか?

(大庭 一利)

はい、私が材木の仕入れと加工を担当し、弟の建二と共に細かい加工作業を行っています。加工から取り付けまで一貫して行うことで、全ての工程をしっかりと管理し、品質を保っています。私たちの経験と知識を活かして、木材の仕入れ、乾燥、加工、仕上げ、そして取り付けまでを一貫して行うことで、常に高品質な建具を提供しています。

他の建具職人さんと比べて強みとされている部分はどういうところでしょうか。

(大庭 一利)

まず、小回りが効く点でしょうね。我々は小さなチームで動いているので、迅速に対応することができます。お客様がお急ぎの場合でもすぐに対応できますし、難しい注文にも柔軟に応えることができる技術力も持ち合わせていると思います。お客様の具体的な要望に応じて、細部までこだわって製作することができるんです。

コミュニケーションについて

木村組の中での協力関係についても教えていただけますか?

(大庭 一利)

木村組には、多くの職人が協力し合って、現場をスムーズに進行させる文化があるんです。例えば、塗装屋さん、クロス屋さん、タイル屋さんなど、多くの専門職人が同じ現場で働いています。私たちもその中でスケジュールの調整をしながら作業を進めているんですが、誰もが自分の持ち場を理解し、他の職人さんの作業を尊重することで、全体の調和が保たれていると感じていますね。

(大庭 一利)

お互いに助け合い、協力することが日常的になっているんです。例えば現場の中でも顔見知りが多ければ作業も円滑に進みますよね。私たち兄弟も現場での仕事だけではなくて、職人同士が食事やゴルフなどで交流を深める機会を設けたりして、人間関係を築くんです。それが仕事にも良い影響を与えていると思います。

(木村)

大庭さんご兄弟は、現場をとてもスムーズに回してくれる存在です。他の職人さんとも協力して現場をスムーズに進行させてくれるので、木村組に欠かせません。例えば忘年会のようなイベントでも、様々な年代の職人さん同士を繋いでくれる、みんなの兄貴分みたいな立ち位置ですね。

今後の展開

最近の業界の動きについて、感じていることはありますか?

(大庭 一利)

最近は、扉のサイズが大きくなる傾向があります。これによって取り付けや精度の問題が増えています。大きな扉は重量も増しますし、取り付けが難しくなります。だから我々には技術的な挑戦が求められているとも言えますね。また現代は空調設備や室内環境が変わってきたことで、木材の狂いといったことにも影響が出ています。これに対して、我々も技術と経験を活かして対応していく必要があります。

ウッドショックによる影響はありますか?

(大庭 一利)

材料の調達はかなり難しくなっていますね。特に高品質の材木が入手しづらくなっています。値段も高騰しているので、昔のように長持ちする建具を作るのが難しくなっていると感じます。例えば、以前は100年持つ建具を作ることができましたけど、今は材木の供給や価格の問題で難しくなり、一般的には20〜30年程度の寿命を考えた建具が主流になっています。

木村組の一員として、今後の抱負を聞かせてください。

(大庭 一利)

我々は、設計士さんのニーズに応える建具を作りたいと思っています。設計士の方々が描く理想のデザインを実現するために、我々の技術と知識を活かしていきたいです。特に、耐久性があって、メンテナンスが少なくて済む建具を提供することで、お客様に長く愛用していただけるものを作り続けたいです。我々の目標は、お客様に満足していただき、長く使ってもらえる建具を提供することです。

(木村)

大庭木工さんは木村組の中でも重要な役割を担っています。彼らの技術と柔軟な対応力が、木村組全体の品質を支えているんです。