はい、外壁だけでなく、内部の天井や壁、扉、家具も塗装します。建具も含まれますね。最近は外壁だけ、家具だけといった具合に、部分的に特化した塗装業者さんが多いんですが、私達は建築物におけるあらゆる塗装を網羅しているのが特徴です。
技術集団 木村組の人々Part 4
株式会社 彩晃社
- 代表取締役
- 安井 寛輝氏
- (塗装工)
仕事の特徴について
彩晃社さんは木村組の中で塗装を担当されているということですが、塗装といっても、外壁だけではないんですよね。
塗装の仕事で苦労の多い部分はどこですか?
塗装は建築の中で仕上げのジャンルになりますので、私たちが作ったものが最終的にお客様の目に見える形になります。見た目だけでなく、機能的なことも考えないといけません。特に新築では細かなラインでもきっちりと出す必要があります。もっというと、塗装の技法はどんどん新しいものが増えていますが、古来からの塗装技法が必要となる場合も多くあります。前にも後ろにも、どんどん視野を広げていかなければならないので、そういった意味でいつも緊張感を持って仕事をしている感じですね。
他の塗装業者さんには負けない得意分野や技術的な部分について教えてください。
外壁や内壁、木部専用の着色、オイル系のものなど多様な塗装技法に対応できます。また、昔の木具を洗って蘇らせる「洗い屋」の技術も持っています。塗装に関して幅広い技術を持ち、様々な塗装ができるので、多くの職人さんが集まる木村組の中でも、そこを強みとしています。
コミュニケーションについて
塗装の仕事は特に、他の職人さんと広く関わることになるそうですね。
はい、例えば天井や壁の場合はボード屋さんがボードを張った後、私たちが下地処理を行い、その後で塗装します。建具の場合も建具屋さんが作ったものを塗装することが多いですから、各パートの職人さんが作ったものに対して、それぞれ仕上げをさせてもらうことになるんです。
前工程の職人さんとのコミュニケーションは?
そうですね。例えば外壁の場合、左官屋さんが下地を作ってくれた上に塗装するので、事前に打ち合わせを行うことがとても重要です。良い仕上げをするためには、前の職人さんの状況を把握したり、注意点の確認などが欠かせないですが、木村組はそういったところがとてもスムーズに行える組織なんです。
木村組との出会いは?
木村社長とは約25年前から関わらせていただいています。初めてお会いした時、私はまだ何も知らない小僧でしたが、社長は私を一人の職人として接してくれました。このことは、私の仕事に対する姿勢を大きく変えてくれましたね。そして15年ほど前、木村組の発足のメンバーとして、まだ会社を継ぐ前だった私を呼んでいただいたことも、とても感謝しています。
安井さんから見た木村組とは?
木村組の特徴は、ひとことで言うなら木村社長が現場から見えることですね。普通の工務店では社長と職人が直接会うことはあまりありません。もちろん現場監督さんがいらっしゃるので、その方とのコミュニケーションがメインとなるんですが、そんな場合でも社長が常に声を掛けてくれて、「いい仕事してくれてありがとう」なんて言っていただけるんです。他の職人さんも話されると思いますが、これでやる気の出ない職人なんていないですよ。みんな木村社長のために最高の仕事をするって意気込んでしまうんですね。
やりがいについて
良い仕事ができたと感じる時のやりがいはどこにありますか?
木村組の建てる住宅は注文住宅で、すべてが手作業なので新しいことにどんどん挑戦しています。全く同じ仕事はひとつとしてありません。だからいつも新鮮な気持ちで取り組めるんです。特に、以前の建物を改修して元の状態に戻す時など、顕著に結果が見える瞬間に大きなやりがいを感じますね。それにお客様から「期待以上の仕上がりだ」という声をいただいた時や、新しい技術にチャレンジして成功した時ですね。私たちの仕事が最終的にお客様の生活空間を形作る重要な役割を担っているという誇りが生まれるというんでしょうか。塗装の仕事は、ただ塗料を塗るというだけではなくて、さまざまな技法や素材に対応する必要があります。例えば、特殊な塗料を使った模様の再現や、古い木部の修復など、多岐にわたる技を駆使します。その中で、自分の技術を最大限に発揮できた時の達成感は格別ですよ。
今後の展開
木村組の一員として、今後どんな仕事をしていきたいですか?
木村組との仕事で特に感じるのは、一つ一つのプロジェクトがユニークであることです。菅様の葉山の別邸のように、外も中もほとんど塗装で仕上げる建物はやりがいが大きいです。多様な技術を駆使した一つの建物は、ある意味「技の博物館」みたいなものだと思います。そんな中で、他の塗装業者ができない特殊な塗装を提案したい。実現したい。そうやって、お客様に感動と満足を提供していきたいです。また日々進化する塗料や技法を取り入れることで、常に最新の技術に対応できるようにしていきたいのと同時に、自分の技術を若い世代に伝えていくことも重要だと感じています。職人の世界では、技術の伝承が次世代の育成に繋がりますので、後継者たちに自分の技術と経験を伝えていければ最高ですね。そのためにも、木村組の一員としてさらに質の高いサービスを提供できるよう今後も努力していくつもりです。